宣言解除の判断基準としての感染者数について、感染による死者数と経済損失の水準をグラフで比べるというのは、死者と経済的利益との間で選好・トレードをするものだろう。
人 ( の命 ) 一般であっても、経済的価値との交換の俎上に載せるのは、人間の尊厳を蔑ろにする思考である。
仮に為政者が参考にしても、グラフのここでいくことにしたと、知見に基いているとして国民に説明できるものではないだろう。
交通政策その他、死者をこの位の見込みでいきましょうなどと合意がなされているわけではない。
様々な分析ツールが構築されるのは自由だろうが、公共放送が扱うには問題がある。
死者数と経済的利益の比較の枠組みではなく、与件とされている政策のほうの改善が必要であることを読み取るべきではなかろうか。