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皇室に親しみを感じている人が7割というアンケート調査については、各人の本音の思いの程度は明らかではないし、親しみを感じる人が7割いれば国民の総意と言えるのかという点で疑問があります。

 

親しみを感じるのは、タレントや動物などでも、高割合ということはあるでしょう。

親しみがあるからと言って、象徴の地位に就けるわけでもなく、ふさわしいわけでもありません。

 

天皇の地位が、主権の存する国民の総意に基づく必要があるのであれば、皇室に親しみを感じるかどうかということではなく、象徴天皇制を継続すべきか否かを問い、国民の総意というものを確認する必要があるはずです。

 

親しみを感じるかというアンケートは、一般人や一般家庭であれば人権侵害になるような調査でもあります。

 

親しみを感じている人が多いというアンケート結果をもって、象徴天皇制を維持することが国民の総意であり続けているかのように扱うのは、すり替えや勘違いと言えます。

 

 

また、総意の一般的な意味内容としては、必ずしも全員一致を示すものではないと考えられているのかもしれませんが、それだと賛成多数派の言い分を糊塗する表現ということになり、公正とは言えません。

 

私的領域での用法は表現の自由としても、公的なことでは曖昧で不適切です。

 

物事を決めるのは多数決でできるわけで、全員一致でない意見をあえて総意と表現することは、場合によっては少数派が武力を背景に総意とする余地もあり、問題です。

 

憲法改正に必要な手続きの数値を基にして、総意の意味を確定するのも疑問です。

 

議会の過半数を切った状態でも総意であり続けるし、国民投票の扱い方によっては国民の過半数を切っても、総意とされる余地があります。